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光設計賞
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光設計奨励賞 |
空間・波長符号化フィルタによる高感度ハイパースペクトルカメラの開発 |
受賞者 :八子 基樹、山岡 義和、石川 篤 |
所属 :パナソニック ホールディングス株式会社 |
授賞理由 |
膜構成の異なるランダムファブリペロフィルタを使用することで、高感度、高速ハイパースペクトルカメラを実現されました。圧縮センシング技術を形状測定に応用するという独自の着眼点により、空間、波長にランダムなフィルタを用いて、高感度、高速撮影カメラを高い完成度で実現されたことを高く評価するとともに、今後の展開に期待し、光設計奨励賞を授与することとしました。
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概要 |
マシンビジョンの進歩に伴い、高次元データを活用し人間の知覚を超えたセンシングが可能となった。中でも、空間(x,y)・波長(λ)の3次元データを取得するハイパースペクトル(HS)カメラは応用範囲が広く、実環境への導入に向け高感度化・高解像度化が求められている。本研究では、被写体の空間・波長情報を圧縮する革新的なフィルタを設計作製し、既存のイメージセンサ上に実装することで、RGBカメラと同等の高感度撮像が可能なHSカメラを初めて実現した。このフィルタは膜構成が異なる64種類のファブリペローフィルタを面内にランダム配列することで空間・波長両方向の高いランダム性を実現し、イメージセンサ上に実装することで、画素ごとに空間・波長情報が符号化された状態での信号取得を可能にした。符号化状態の信号からHS画像を取得する際には、空間スパース性に基づいた画像復元処理を用いた。本技術によってRGBカメラと同等の光利用効率35%(従来HSカメラ比7倍以上)で、可視光領域において20波長のHS画像取得を実現した。これにより室内照明と同程度(550lux)のLED照明下において15~30msの高速シャッター撮影を実現し、産業応用可能なHSカメラを開発した。
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図.a: 圧縮センシングによるHS画像取得の原理 b: 作製したHSカメラ
c:フィルタの光学顕微鏡像とランダム透過パターンのイメージ図 |
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