ODG-OPTICS DESIGN GROUP-日本光学会光設計研究グループ
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光設計賞
光設計奨励賞
世界最高の空間分解能と動作速度を実現した分布型光ファイバセンサ
   受賞者 :水野 洋輔1、李 熙永1、林 寧生2、福田 英幸3、中村 健太郎1
   所属  :東京工業大学1、東京大学2、ファナック株式会社3
 
左から審査委員長の辰野氏、受賞者の水野氏
 授賞理由
 従来のファイバセンサの課題の多くを解決する手法が提案されており、技術のポテンシャルの高さを評価します。実用化されれば社会的に大きなインパクトのある技術であることから、さらにフィールドテストを重ね、実用化に向けた研究開発を進めてほしいという期待を込めて光設計賞奨励賞を授与します。
 概要

近年、インフラの経年劣化や地震などの自然災害による損傷が大きな社会問題となっており、構造物に光ファイバを埋め込むことで、その変形を正確に監視する技術の研究が精力的に推進されている。受賞者らは、光ファイバ中のブリルアン散乱に基づき、歪(ひずみ=伸び)と温度の分布を検出できる新たな光ファイバセンサ「ブリルアン光相関領域反射計(BOCDR)」を提案し、性能向上に取り組んできた。2016年には、位相検波および散乱スペクトルの傾斜を用いる機構を設計し、従来法の5000倍以上となる100kHzのサンプリングレートを達成し、片端からの光入射とリアルタイム動作の両立に世界で初めて成功した。また、分布型光ファイバセンサとして世界最高となる2mmの空間分解能と30%以上の歪ダイナミックレンジを実証した。本技術の提案から超高速化・超空間分解能化・超高ダイナミックレンジ化を実現した機構の設計・実装に至るまでの成果は、光ファイバセンサの新たな応用領域を開拓するものである。

 

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